2025年度理事長所信

One for all All for one

~組織の力を最大限に発揮し地域の未来を創る~


第71代理事長 田中 勝也

 急速な社会変化に伴い新たな問題や課題が次々と生まれる現代。我々は今、近未来も不確かな時代に立たされている。

 世界では、今もなお続く紛争を始め、食糧問題やエネルギー問題、気候変動、自然災害等と多くの問題があります。
 我々の住み暮らす長岡でも、人口減少、少子高齢化が進み、地域経済への影響に物価の高騰、また教育問題等と多くの問題があります。
 今こそ我々は JAYCEE として、さらには地域の変革の起点として、組織の力を活かし地域の明るい未来を創る使命を果たすときです。
 2025 年はさまざまな節目の年でもあります。長岡市は長岡空襲から 80 年の時が経ち、長岡空襲の悲惨な史実を語り継ぐ方は減少しています。私は長岡空襲からの学びをこれからのまちづくりにどう活かしていくかが重要と考えます。
 また、2015 年に策定された長岡市総合計画から 10 年が経ち、新たな指針が示される年でもあります。さらには団塊世代が75歳を迎え、超高齢化社会へと移行します。さらなる課題が予想される中でも、私たちは地域と共に歩みを進めてまいります。
 長岡青年会議所(以下、長岡JCとする)も節目の年を迎え、創立70周年の年でもあります。これまでの歴史を振り返り70年の歴史の上に立たせていただいている事を実感し、次代へと繋げていきます。
 私たちは、これからも地域に必要とされる組織として、利他の精神を胸に持続可能な組織を築いていきます。

<組織力>

 地域社会には多くの問題がある中、急速に変化し続ける社会においては、1 年後あるいは明日にでも新たな課題が生まれ、また、5 年後、10 年後に深刻化する問題・課題もあります。これらの課題を、一人の力で解決することは容易ではないでしょう。組織として団結して臨むことで、一人ひとりの力が何倍にもなり課題解決へと向かいます。
 しかしながら、現在の長岡JCは、組織として最大限の力を発揮出来ているのでしょうか。メンバーの構成は近年、女性会員や個人事業主、会社員の割合が増え、さらには在籍年数の短期化が進んでいます。活動の時間の制約や価値観、入会目的といったそれぞれのメンバーが持つ背景が多様化する中でも、脈々と受け継がれてきた長岡JCという組織がやるべきことは変わりません。多様性の時代を逆風と捉えず、お互いの意見を尊重し、多角的にアイディア持ち寄ることで、さらに良い事業を構築し展開できる組織となることが重要です。組織としての目的、方向性を明確にし、メンバーへ浸透を図ると共に誰もが活躍できる組織をつくっていきます。 

<過去から現在そして未来へ>

 長岡 JC は、1954 年に現在の公益社団法人東京青年会議所がスポンサーとなり、全国で64 番目の青年会議所として創立され、今年で70周年を迎えます。
 先達は「青年がその青年による独自の立場に於いて互いに啓発陶冶し自己を練磨すると共に進んで現実周囲の諸問題に干与して社会に奉仕更に友愛の精神を通じて全世界と連携せんとする」の目的のもと、27名の同志相集い発足し、70年間の長きに渡り歴史を積み重ねこれまで受け継がれてきました。70 年もの間、時代の流れに飲まれることなく、多くの困難が押し寄せる中でも歩みを続けてこられたのは、創立当初の目的や市民、関係諸団体の、多くの支援・協力があったからこそだと考えます。時代が変わる中、変わらずに受け継がれてきた不変の志を受け継ぎ、新たなる5年、10年を見据えたビジョンを掲げ、地域を牽引し共に歩んでいきます。これまで先輩諸氏の情熱と努力により積み上げられた功績を称えると共に感謝し、日ごろの活動に賛同してくれる関係諸団体・市民に感謝する場を設け次の時代へと舵を切ります。

<次世代のリーダー>

 長岡JCは、近年正会員数が減少し、会員の会費で賄っている事業費も削減せざるを得ない状況にあります。全国各地の青年会議所の中には、会員の減少により解散や合併を余儀なくされるものもあります。我々も、危機感を持ち会員拡大を達成し続けなければ、地域に貢献するリーダーを輩出していく事も、効果の高い事業展開も困難になります。会員拡大を達成するには、まず入会数を増やす必要があります。長岡JCの活動は、地域の課題解決や発展に取り組むなかで、メンバー個々の成長やメンバー同士の強い繋がりが生まれ、入会候補者が魅力に感じられるものが多々あると考えます。長岡JCの魅力を伝え、長岡JCの活動に賛同をいただき入会へと導きます。また、退会者をなくすことも重要です。会員減少の背景には、退会者が出てしまうこともあります。入会間もないメンバーや、モチベーションが低下しているメンバーへのフォローが必要不可欠です。2本軸を中心に会員拡大運動を展開していきます。
 また、活動に賛同していただける企業・団体とパートナーシップを結び、お互いの有益な情報交換を行うことで長岡JCの必要としている事、企業や地域が必要としている事を、互いに得ることができると考えます。さらには、より効果の高い事業展開もできると考えます。賛助会員制度を浸透させ活用していきます。

<ONE TEAM>

 JC は異業種が集う団体であり、JC に所属することで出会うことができたメンバーとの出会いは、最大のメリットとも言えます。近年では、メンバーの平均在籍年数が短期化するなか、コロナ禍を経てメンバー全体で一体感を高める機会が少なくなり、委員会の垣根を超えたメンバーとの関係性が薄れている現状があります。関係性の質を高めることができれば、事業への出席率は高まり事業効果も上がると考えます。今の自分に必要がないように思える事でも、仲間の一声で参加できる関係構築ができれば、Apple 創業者の一人でもあるスティーブ・ジョブズ氏のスピーチで有名な「Connecting the dots」の考え方のように、その学びは将来に活かされていくはずです。そのためにも、メンバー同士の交流の機会を増やし、一体感のある長岡JCを創っていきます。
 また、JC は「学び舎」と言われるほど、多くの成長の機会があります。個人が成長することは、周囲のメンバーに影響を与え、また、家族や会社へ持ち帰り活用することで波紋のように拡がり、それはやがて地域にも影響を与え、地域貢献にもつながると考えます。メンバー同士で切磋琢磨し、リーダーとしての素質を磨き、周囲に影響を与えることのできる、リーダーと成長していきます

<地域の希望>

 私たちの地域には、多くの歴史的な出来事があります。1868年に起きた戊辰戦争、1945年には、太平洋戦争中の長岡空襲と 2 度の戦争によりまちは大きな被害を受けました。先人たちは、絶望的な状況にありながらも前を向き、未来を見据え復興を遂げてきました。戦争からの教訓は受け継がれ、2004年に発災した7.13水害・新潟県中越地震の際に活かされてきました。「常在戦場」「不撓不屈」「米百俵の精神」の精神性は、今のまちづくりにも活かされています。
 子供たちが地域の歴史から学ぶ事は多く、これからの人生を生きる糧や地域への愛郷心へと繋がります。さらには自ら考え行動することで主体性も育まれます。子供のころから愛郷心と主体性を育むことにより、地域を想い、やがては地域の為にと行動を起こせる大人へと成長すると、私は信じています。また、そんな子供達の活躍は波及効果を起こし、多くの親世代や市民に影響を与えると共に目に映り地域の希望ともなります。私たちは、子供たちと共に地域の未来を創造し、自ら行動できる事業を展開していきます

<地域の活力>

 長岡市の人口は約25.6万人で、人口割合は長岡地域が7割強を占め、残りを10の各支所地域の人口で構成されています。多くの地方都市と同じく人口減少に歯止めがかからない中、支所地域で地域コミュニティを維持する次代の担い手不足が、さらに深刻となっています。各地域で、これまで受け継がれてきた伝統文化や祭りなどの地域資源が存続できなくなることは、文化的財産が失われてしまうだけでなく、その地に住み暮らす人々の活力や主体性といった、地域活性の原動力も薄れさせてしまう事に繋がります。解決への糸口は、長岡の歴史にある「ランプ会」のように地域住民・行政・市民団体などが立場を越え、手と手を取り合い、お互いの長所を持ち寄り補い合う、市民協働で取り組むことが必要不可欠と考えます。
 また、各地域にある祭りは、市民協働の最たる場であり地域の活性に繋がります。祭りの力は地域の若年層から高齢者までを心躍らせる力があります。人々の活力は、地域活性への大事な原動力とも言えます。市民協働で各地域の未来のビジョンを描き、持続可能な地域を創っていきます 。

<地域経済の好循環>

 2023 年 2500 万人超を数えた訪日外国人は、2024年では3500 万人を越え、8兆円の消費が予想されています。訪日外国人の消費による経済効果は高く、輸出産業として自動車に次ぐ 2 番目の高さを誇ります。さらには、今後も伸びていく予想がされる中、以前は「爆買い」と言われた物への消費が多く聞かれましたが、体験型への消費も増加傾向にあり、地方でもインバウンドによる経済効果が期待されます。長岡市は東京から新幹線で 1本で繋がり、新潟空港とも近く、また、多くの食文化や自然風景、受け継がれてきた伝統文化を有しており、インバウンドへの期待ができます。訪日外国人の誘致によって、宿泊や飲食などの直接効果に加え、雇用や所得への間接的な経済効果も期待できます。また、これらの直接効果や間接効果は、新たな投資や設備投資を誘発し、経済の好循環が生まれます。各地域、関係諸団体・行政と手を取り合い、訪日外国人が来訪したくなるおもてなしの〝NAGAOKA″を創っていきます。 

<最後にメンバーへ>

「JCを語れ!」
 JC の魅力を伝えられなきゃ拡大は達成できない、今隣にいる人を変えられなきゃ市民も地域も変えられない。JC には日々の活動や経験から学ぶ個人の成長、組織の中で役割を持ち活動できる組織体験、地域の現状認識と課題探求、課題解決にむけた事業を通した地域貢献、多くの仲間と出会い同じ時間を共有することでできる一生の仲間など、多くの魅力があります。しかしながら、本気で活動しなければそれらは得られないでしょう。得られなければJCを語ることはできません。本気で活動すると共にJCを語り多くの同志を募り地域の未来を創ろう。

 

    

理事長 PROFILE

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